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THE OLD BBC CLUB様店舗改装物件のご紹介
LifeWorksが施工しましたTHE OLD BBC CLUB様(足利市)の店舗改装物件をご紹介します。
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■施工名称 新規イベントスペースに
伴う改装工事
■名称 THE OLD BBC CLUB
■業種 クラブ、ライヴハウス
■デザイン・設計 ライフ・ワークス
■所在地 栃木県足利市
■竣工年(完成) 平成29年9月
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THE OLD BBC CLUB
移転や改装を重ね、つねに今の足利の音楽シーンの場所で在り続けているclub south BBC。2017年9月。BBCは、新たな「今」をスタートさせるべく、改装を完了させる。
その新たな「今」を、BBCの移転時から、改装の全てを手掛けてきたライフワークス須田氏に聞く。
■■プロローグ■■
よこち:ライフワークスの仕事の中でも、
club south BBC(以下:BBC)は改装回数が多い印象ですが今回で、何回目の改装ですか。
須田氏:小規模な改装を入れると4、5回かな。
よこち:今回は二階の改装ですが、二階の改装は何度目ですか?
須田氏:二階は今回で三回目。
よこち:いつも、改装のはじまりというのは、どんなタイミングなのですか。僕の想像だと、普段に呑んでたりする時にOさんと話をする中で、(Oさん>BBCオーナー。
須田氏の小学時代からの先輩であり仲間である)BBCや音楽の話題になって、話が盛り上がって改装しようか、みたいな流になるのですか?
須田氏:いや。Oさんから連絡があるの。改装をしたいから考えてくれよ、みたいな依頼がくる。
よこち:これまでの改装を振り返ると、テーマであったり、スペースの新しい使い方だったり、僕からするとビックリするような事があったのですが、そういった案はOさん
ですか?
須田氏:そうなんだよ。俺が思いつかないような『なるほどね!』と思う良いアイディアをもってくる。ただね、少し、無理があるような事が多い(笑)このスペースで、
それは無理でしょ?みたいなのとかね。
よこち:原案や始めのイメージはOさんで、そこで生まれる「無理」を須田さんが、どうにかするのですね。
須田氏:そうそう(笑)。「それを(須田が)どうにか考えるんだよ!」って言われちゃうんだよ(笑)
■■第一章 オーダー内容:バンドライブができるスペース■■
よこち:今回の二階の改装は、『バンドライブができるようにする』という、使用目的も改装内容も大幅な変更ですが、ここにたどり着いた理由はなんですか?
※これまでのBBCは、一階がホール、二階がBarスペース
須田氏:最近、小規模なバンドライブが増えてきたという事もあって。(お客さんが30〜40人程度)それを1階のメインフロア(キャパ250人)を使うと、
スカスカになってしまって、盛り上がりずらい雰囲気になりやすくなってしまう。
よこち:たしかに、バンドライブでスカスカだと、寂しい雰囲気になってしまう事ありますよね。そこで、二階のスペースは1階より狭いから、そこを利用して30〜40
にちょうど良い空間にした、って事ですね。
須田氏:初めに『バンドがライブできるように』、と話を聞いた時は狭すぎるな、と思ったのだけれど。
よこち:1階の半分以下くらいの面積ですもんね。
須田氏:改装の理由を聞いて、トイレを狭くしたりで、どうにかしたんだ。その結果、今はスタンディングも入れて、30〜40人で満タン。
よこち:それは盛り上がりますね。
■■第二章 コンセプト誕生■■
須田氏:目的と理由がはっきりしたから、まず、図面を書いてみて、
よこち:30から40人のお客さんが入って、バンドライブが可能な空間の図面、ですね。
須田氏:図面ができあがって、これで行こうか、と決まって。次に、どんな雰囲気にしようか、と。その時に、Oさんから、『ビートルズのゴールドディスクなどを飾る
スペースを作って欲しい』と要望があって。
よこち:たしかOさんは、かなりビートルズが好きですよね。
須田氏:そう。学生時代から、ずっとビートルズが好きでビートルズバンドをやったり、ゴールドディスクなどの、マニアックな物も持ってるんだ。
よこち:そういう物を飾るギャラリーが欲しい、という要望だったのですね。
須田氏:ビートルズ、イギリス、ディスプレイ。これらのワードが出てきて、そこで思ったのが二階のどこか一部にギャラリーを作るのではなく、BBCの二階まるごと
全部を(初期の)ビートルズがいた頃のイギリスの街並みにして、『二階まるごと全部をギャラリーにしてみよう』、と。
よこち:「オールドイギリス」ってことですね。
須田氏:工事が始まって、二階を街にするべく、建物や街灯なんかを建てていく。
よこち:ほんとの街づくりみたいですね。
須田氏:すると、その建物を見たOさんが、ここは、あのお店(ビートルズに関わりのあった実在するお店)にしよう、こっちは、このお店にしよう、という事を話し
だしてね。
よこち;Oさんのビートルズ好きな部分がでてきたのですね。
須田氏:建物だけでなく、ほとんどの部分がビートルズに関わりのある街になっていく。
よこち:「ビートルズが居た頃の街」ではなく「ビートルズの居た街」になったのですね。
須田氏:そうなんだ。はじめに掲げた「ビートルズが居る頃のオールドイギリス」というコンセプトが工事が進むとともに、変化したんだ。
よこち:これが、今回のライフワークイスコンセプト「オールドイギリス」〜ビートルズが居た街〜にたどり着いたドラマなのですね。
<以上本文>
■■第三章 施工内容その@「オールドイギリス」〜ビートルズが居た街〜■■
よこち:では、改装後の写真を見ながら、お話を聞かせてください。まず、一階から今回の改装した二階に上がる階段ですが、長い年月を重ねてきたような、
レンガと黒塗りになっていますね。
須田氏:初期のビートルズがよく演奏をしていたcavern clubというライブハウスが、レンガと黒ぬりだったので。そこでレンガのクロス(壁紙)と黒い壁で
cavern clubの雰囲気をだしてある。
よこち:二階のドアを開ける前に、そこまでの階段ですでに始まっているのですね。
須田氏:そうそう。まずcavern clubの階段を上っていくと、そこは、初期のビートルズが活動をしていた頃のリバプールの街の中になっているようなイメージだね。
よこち:ビートルズ好きの方々は、入り口からうれしくなっちゃいますね。
須田氏:階段を上って中に入ってすぐにある建物のショウウインドウ展示スペース、「FRANK HESSY」と「WHITE STAR」は、ビートルズのメンバーも通っていた
楽器店とパブの名前なんだって。
よこち:実名なのですね。
須田氏:そのトナリの緑の「THE GRAPES」はビートルズが出演前にによく行っていたパブなんだって。
よこち:「THE GRAPES」はBBCで実際のバーになっている部分ですね。
須田氏:ステージ裏の大きな矢印は、ビートルズがアメリカに進出してテレビショー
「エド・サリヴァン・ショー」に出演した時の舞台セットをイメージにしたいって事で。
よこち:ステージの機材もビートルズに関連があるのですか?
須田氏:VOXのアンプやLUDWIGのドラムセットなど、ビートルズが使っていたブランドの物なんだ。そこまでしなくても、良いのじゃないですか?と言ったんだけれど
「これじゃなくちゃ、ダメなんだよ」と、Oさんが(笑)
よこち:ここら辺は、Oさんこだわりが強い部分なのですね。
須田氏:ステージのトナリのDJブースの背面にある「NEMS」の文字もOさんが、どうしても、と。ビートルズと深い関わりのあったレコード店の名なんだって。
よこち;客席の壁のビートルズギャラリーですが、この写真は一般的に知られてないマニアックな写真を選んだとの事ですが?。
須田氏:マニアックな人って、きっと自慢をしたいのだろうな、って思って(笑)
一緒に来た人やBBCで出会った人とギャラリーを見ながら
「この写真は○○年のドコドコで〜」みたいな話をしてもらおう、と。
よこち:須田さんは、『使う人』や、『使われるイメージ』がしっかりありますよね。この自ら選んだマニアックな写真を、自らコーヒーで一枚一枚、染めたんですよね(笑)。
須田氏:そうそう(笑)そんなことしなくても画像の加工でセピアとか、古っぽくする加工はできるのだけれど、一色でノッペリしちゃう。実際に古くなった写真は、
日に焼けたりして、一定ではないと思って。だから、1枚1枚コーヒーで染めて仕上げたんだ。
よこち:失礼な事をいいますが。そういう作業って、もはや、仕事じゃないですよね(笑)
須田氏:(笑)
よこち:楽しかったでしょ?
須田氏;超たのしい(笑)
■■第四章 施工内容そのA 「街の雰囲気街」■■
よこち:『この街の昼間の風景も見て見たい』初めての撮影の時に、そう想ってしまったんですよ。建物の中に作った街という事を忘れてしまったくらい。
のめり込めたというか。それは、外に使う本物の街灯を使うなどの、須田さんのテクニックがあったのだと想うのですが、そこらへんを教えてください。
須田氏:実際に外で使われる街灯を照明にしたり、雨どいを建物につけたりかな。
よこち:この広さの室内に、あの電柱みたいな街灯は、大胆ですね。
須田氏:ポスターをわざと剥がれた感じで貼ったりも、雰囲気になってるでしょ?(笑)。
よこち;そして、トイレへの通路が裏路地になっているところでしょうか。
写真だとあまり伝わらないけれど、実際は、もっと薄暗くて「裏路地」を感じます。
須田氏:そうだね、あそこが一番好きな場所だなぁ(笑)
よこち:こういった作り込みの1コ1コが雰囲気になって、説明してもらったビートルズとの関連を知らなくても、のめり込んでしまうような場所になってるのだと感じます。
須田氏:そういえば、1階でクラブイベントをやってる若い世代のお客さんが、二階をみて「かっこ良い、二階でイベントをやらせて欲しい」と言ってくるらしいんだ。
よこち:うれしいですね。
■■第五章 ビートルズ■■
よこち:須田さん、Oさんとは、同世代ですよね。
須田氏:そう、学年で2コ違う。
よこち:須田さん達の中の、ビートルズの距離感、存在みたいのが知りたいのですが。
須田氏:うちの兄とか、兄の先輩の影響で、小学校の頃からKISSとか洋楽は聞いていたんだ。小学校の頃の部屋はKISSのポスターだらけだった(笑)。
よこち:小学生でKISS!早いですね!
須田氏:その流れで、ビートルズも聞いて。うわーかっこよいなーと。
けれど、中学生になって、ちょっとビートルズを離れるんだよ。なぜかっていうと、
真面目っぽい感じがしちゃって。教科書に歌詞が載ってたりして、ビートルズなんて聞いてるのは真面目だな、と。
よこち:なるほど。やんちゃな中学生には真面目な音楽だと(笑)。
須田氏:そうそう(笑)。
けれど、本当は違ってて。もとの始まりはロックンロールの不良達だったのだけどプロモーション的に、みんなの良く知ってるビートルズのスタイルに
なったらしいからね。その頃の俺はそんな事を知らなかったから離れちゃったけれど、好きな人ってのは離れなくて。(離れない人は)ビートルズへの想い
が確立されてたのだろうな。
よこち:Oさんは、その頃から好きなのですか?
須田氏:ロックンロールとか、他の音楽にもいったけれど、ビートルズはそれからずっと好きなんじゃないかなぁ。
よこち:話を聞いていると、ビートルズは「普通」に近い存在?
須田氏:(身体と頭に)普通に流れて、入ってた。
よこち:うれしいですね。
■■第六章 工事の後の話■■
須田氏:Oさん、あの人が工事の後にね「おかげさまでありがとう」ていったんだよ(笑)
よこち:それはめずらしい?
須田氏:めずらしいね。(笑)
よこち:うれしいですね。
須田氏:基本となるコンセプトやイメージは、いつものBBCの改装のとおりOさんの案なのだけれど、今回は、そのほかの実際的な内容はおまかせにして
もらったんだよ。初めは、しぶってたのだけれど、絶対にカッコよくしますから、と言って説得したんだ。
よこち:その結果が「おかげさまでありがとう」ですね(笑)
須田氏:そうかも。作業を進めていく中で相談が必要なところは、もちろん相談して進めていったけけれど、基本的にはお任せにしてもらった。
よこち:それは言い方をかえると、今までの数回の改装を経て、良いコミュニケーションになった、という事ですよね。
須田氏:そうだね。それでも工事の途中で意見の違いなどで、変な雰囲気になるコトもあったよ(笑)お互い本気だからね。
よこち:おたがい本気だから、かっこ良い場所になったのですね。
それにしても、一触即発(笑)
須田氏:今となっては、笑い話(笑)
よこち:愚問ですが、最後に質問です。
これまでのBBCの改装の中で、どれが好きですか?
須田氏:もちろん今回(笑)。
<あとがき>
須田氏の仕事の記事を書くときは、撮影中や、その後に須田氏に話を聞いているのだが、自分がカッコ良いと想った物を、それをつくった人の話を聞きながら
撮ったり書いたりするのは、とても贅沢な時間。
そんな時間を「インタビュー」という形の記事にして書かせて頂いたのが、今回の記事だ。
あとがきに書く為に、インタビュー記事には書かなかった、須田氏の実力ともいうべき、腰壁の話を、ここに書かせてもらう。
客席の後ろ側の腰壁。いっけん、客席と通路のエリア分けの腰壁かと想うが、
これは、なんとも計算された「立ち見客用の機能的な壁」なのだ。
この腰壁がある事によって、立ち見客は腰壁の後ろでの立ち見が居心地がよい。
これがないと、腰壁より1メートル位うしろにある壁に寄りかかって立ち見をする事
になる。
そこで、何が起こるかといえば、後ろの壁に寄りかかって見るよりも
腰壁に前のめりに見た方が、見る側のライブ感が大きくなる。
それをステージから見ると、後ろの壁に寄りかかって見られるよりも、
前のめりに見られた方が、盛り上がった雰囲気になる。
これは、大工としての意見ではなく、自分が今までお客としてライブを見に行った経験だという。
「おれが観るとしたら、ここで見たいから」(須田氏本人)
狙い通り。今、この腰壁付近は人気スポットだ。
この腰壁には須田氏の実力が詰まっているのではないだろうか。
大工以外の経験や考えが、見事に大工の仕事に入り込んでいる。
それは、ライフワークス須田氏の武器の一つなのだと感じる。
この腰壁や、1枚1枚コーヒーで染めたマニアックな写真は、お客さんや、そこを使う人の事を考えての内容であるが、同時に、須田氏本人の要望だったり
楽しみでもある。すばらしい。
「家でもお店でも、工事が終わったあとに、ここに住みたいとか、ここで働きたいと想っちゃうんだよ」
こんなコトを想う須田氏の仕事だから、ビートルズを詳しく知らなくても何かのドラマを感じて「室内のつくられた街」である事を忘れ、青空の下の時間の事までを、
僕は想像してしまうのかもしれない。
text & photo よこち
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